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テンションと共に文章や言葉遣いが変わる、この日記。
でも気にしない(笑)。
キチメガ小説版と同じく、入手困難だった 「美しいこと(下)」 をやっと読みました!
店頭購入を諦めて、ネット通販しました。
後ろ見たら、 「第二版」 だそうですよ。
初版から半月しか経ってないのに、すごい!
以下、ネタバレ感想です。 未読の方はご注意を。
『美しいこと(下)』 木原音瀬
今回は途中までが松岡視点、途中から寛末視点で書かれてます。
女装した自分ではなく、素の自分を好きになってもらいたい。
その一途さが描かれるわけだけど、私は松岡の潔さに一番強く惹きつけられました。
好きになってもらいたいと願うのなら、相手の気に入るように振舞ってしまうのが人の性だと思うけど、
松岡は自分を作ったりしない。
それに、押し付けたりしない。
じっと寛末からの答えを待ち続けている松岡の、時折見せる感情の波が行動となって、
たまらなく切ない。 そしていじらしい。
一方で、寛末は等身大のキャラとして捉えてました。
BL作品の中には、相手が男でもすんなり受け入れている世界観があふれているものも少なくないです。
この作品に登場する寛末という人物は、それが 「好き」 という感情かどうかも曖昧なままに、
相手が同性であることに葛藤し続けるんですね。
愛情を寄せられている優越感があるが故に、本当の松岡を見つめられずにいる。
その描写が繊細で、時を経て再会したときに怒涛のように溢れていく感情を秀逸に描いています。
最後のあたりでは、寛末と一体になってドキドキし、気持ちが松岡に向けて走っていくのを止められませんでした。
読後に流してしまった涙は、幸せになれてよかった…というものとは少し違うような気がします。
……うまくは言えないんですけど(汗)。
決してドラマチックで派手な演出があるわけでもないのに、こんなにも惹きつけられてしまうとは。
最初は表紙買いでしたが、買ってよかった!
イラストもキレイなんですよ! 清潔感があって、表情が豊かで。
BL小説だけど、そういう描写は少なめ。
某サイトの評価にもあったけど、BLが苦手な方にでも読みやすいと思います。
BL作品というカテゴリにさくっとおさめてしまうには、あまりにも勿体ない作品…というのにも大きく頷けます。
あー…本当に久しぶりに小説を読んで泣きました。
これから木原作品を読み漁りたいと思います。。。